こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのは無料でプレイできるシミュレーター「Schizophrenia Simulation」です!
※この記事に統合失調症を揶揄する意図はございません。
タイトル | Schizophrenia Simulation |
ジャンル | 3D/シミュレーション/統合失調症/FPS視点/ホラー/探索/シングル |
開発元 | ChoppyPine |
価格 | 無料(寄付可能) |
リリース日 | 2018年9月27日 |
言語 | 英語のみ |
クリア所要時間 | 30分程度 |
完全クリア時間 | 同上 |
プラットフォーム | PC(Windows)のみ |
操作方法 | キーボード&マウス |
難易度 | 低~中(35/100)★☆ |
恐怖度 | 低~中(33/100)★☆ |
必要英語力 | 低~中(30/100)★☆ |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 約527MB(アーカイブ)/約1.11GB(解凍後)<v.1.8> |
基 – Basic
まずこの「Schizophrenia Simulation」について、基礎的な情報をまとめていきましょう。
基本情報
基本情報として、公式で掲載されている説明文や開発者に関する情報を掲載していきます。
説明文
「itch.io」の本作個別ページには、以下の説明文が掲載されています。
This is not a horror game. No… It is accurate simulation of schizophrenia based on empirical data gathered by psychologist and psychiatrists.
My goal was to create an accurate atmosphere and perception of reality of schizophrenic. During the game you will come through all symptoms of progressively aggressive schizophrenia: anxiety, paranoia, nightmares, delusions, amnesia, sound and visual hallucinations.Schizophrenia may have different symptoms. This game recreate rare schizophrenia with almost all possible symptoms to show the whole problem of the disease.
Of course, comparing to the real schizophrenia all simulations are poor representation.
これはホラーゲームではありません。そうです……これは心理学者と精神科医によって集められた経験上のデータに依拠した正確な統合失調症のシミュレーションなのです。
私の目的は正確な雰囲気と統合失調症の現実の認識を作ることでした。ゲーム内であなたは次第に激しくなっていく統合失調症の症状を体験していきます。不安、パラノイア、悪夢、妄想、記憶喪失、聴覚的・視覚的な幻覚。統合失調症は異なる症状が表れることがあります。このゲームではこの病気の問題すべてを見せるため、考えうる症状のほとんどすべてをもつ稀な統合失調症を再現しています。
もちろん、実際の統合失調症と比べるとすべてのシミュレーションは不充分な表現に過ぎません。
開発元・開発者
「Schizophrenia Simulation」は「ChoppyPine」というスタジオで開発されました。「ChoppyPine」の公式サイトなどで「One man game studio(一人のゲームスタジオ)」とあるように、おそらくスタジオと名がついてはいるもののチームではなく単独で活動している方のスタジオなのでしょう。
他のゲーム作品として、「Drug Simulator」、「Xmas Scary Story」「Ivan’s Fear」などが投稿されています。ホラーゲームを主に制作されている方のようです。
価格
「Schizophrenia Simulation」は無料でダウンロードしてプレイできる作品ですが、itch.ioなどではダウンロード時に寄付をすることができます。
インストール&容量
本作品はインストールが不要です。ダウンロードしたrarファイルを解凍し、フォルダ内の「Cabin.exe」を実行すると開始します。
容量はそれぞれ、解凍前のアーカイブで約527MB(0.53GB)、解凍後で約1.11GBとなっています(バージョンはv.1.8)。
解凍後のファイルが1GBを超えているので、少し大きめのデータ容量だといえます。しかし本作はクリアしてしまえば繰り返しプレイするタイプの作品ではありませんし、無料でダウンロードすることができるものですので、ストレージを圧迫したら削除して、またプレイしたくなったらダウンロードし直すなどしても構わないでしょう。
プラットフォーム
本作はPCのみで、かつWindowsのみに対応しているようです。
ゲーム概要
それではゲーム本編の情報についてまとめていきましょう。
ジャンル
「Schizophrenia Simulation」はFPS視点の3Dシミュレーターです。タイトルにあるように「Schizophrenia(統合失調症)」をテーマとしている作品です。またゲーム制作をしている作者の作品ではあるのですが、説明文にあるように「ゲームではない」と説明されています。
名前にあるように、統合失調症の症状を追体験することを目的として制作されており、プレイしていくと恐怖や不安を感じるような演出が次々と発生します。
私自身プレイの最中に感じていたのですが、本作品は症状を体験することが目的であり、演出上3D酔いをしたり頭が痛くなったり気分が悪くなるようなことがあるかもしれません。
しかしとても興味深いコンセプトとなっていて非常に独特な感覚を体験して進められるので、「3D酔いをしながらなるほどと納得する」というようなプレイができる作品となっています。
世界観
「Schizophrenia Simulation」の醍醐味はまさに「統合失調症」の患者の視点を借りているというところにあるでしょう。これはゲームとしての醍醐味というより、「シミュレーター」としての醍醐味だといえます。
最近では「〇〇 Simulator」というゲームが多く出回っていますが、ゲーム作品としてシミュレーターを名乗ることより前に、こうした「仮想的に追体験する」というのはシミュレーターの本質に立ち戻っているようなものです。
ストーリーでは特に目的がなく、単に統合失調症の患者の生活を体験すること自体が目的のようになっています。進めていくと状況が変わっていきますので、それに合わせて示される目標をこなしていくような形になります。
シミュレーターとして
こういうのが発表されるって
けっこうすごいよね。
コンセプトの目のつけ所に
本当に驚かされますよね。
グラフィック&音楽
プレイ中の映像が非常に独特な作品ですが、音楽はフリー音源が使用されているようです。
グラフィック
本作のシミュレーターとして味わうところは、ホラー演出も然ることながら、デッサンが狂った絵のように遠近感がおかしくなった映像にあるでしょう。通常のFPS視点のゲームと同じように動かすことができますが、視覚的映像が歪んでいて、少し離れたところにあるものが実際よりずっと遠くにあるように見えてしまうのです。
これは本作をプレイする方のために何度も申し上げておきたいのですが、3D酔いをしやすい方にとっては頭痛や気分が悪くなる原因となる可能性が非常に高い要素です。シミュレーターとしておもしろい試みの作品ですので多くの方にプレイしていただきたいのですが、具合を悪くしてまで無理に強いるものではありません。
気分がすぐれない場合は、中断することも心がけましょう。
「Schizophrenia Simulation(統合失調症シミュレーション)」のプレイの様子。視界が常に歪んでいて、視点を動かすと強い違和感がある。 pic.twitter.com/KkBGMVka6K
— caffeine_gurasuto (@CGurasuto) August 27, 2019
さすがにプレイしてて
頭がくらくらしてきたぜ、これ。
そのくらくらする感覚を
統合失調症の患者の方々は
常に感じているのかもしれない
と考えさせることが
本作のコンセプトなんでしょうね。
音楽
音楽は、タイトル画面に「Music by Kevin MacLeod」と明記されているように、幅広く活動されているフリー音源の制作者の方のものが使用されています(YouTubeチャンネル)。
しかしゲーム本編ではあまりBGMが使用されていません。
また本作では幻聴が再現されており、ときには怒鳴り声のように大きな音量で流れることになるため、少し注意しておいたほうがいいかもしれません。
操作方法
特にチュートリアルなどはありませんが、移動をWASDキーで行い視点をマウスで動かす一般的なFPS視点のゲームと同じ操作方法です。アイテムを使用したり調べたりするにはEキーを使うことになります。
操作方法は特に違和感がありませんが、やはり視覚的な遠近感が常に合わないままプレイし続けるため、移動するのにも少し困惑することになるかもしれません。
システム
「Schizophrenia Simulation」のシステムは、統合失調症を再現した視覚的・聴覚的な違和感を味わうことと、ホラーのような演出が行われることの2つが挙げられるでしょう。
常に継続する視覚的な違和感は特に強く、ホラー演出を楽しむかどうか以前に、この頭が痛くなってくるような視覚的な気持ち悪さを「統合失調症の追体験」として感じること自体に意味があるといってもいいでしょう。
ここは非常に言葉を選ぶところで、ふつうのゲームのように「楽しむ」という表現がなかなかできないところです。ジェットコースターに乗って恐怖感やスリルを楽しむ、ホラー映画を見て背筋がゾクッとする感覚を楽しむ、とも異なります。そのような感覚よりもさらにずっと「実際に苦しんでいる患者の方々がいる」という点が重要だからです。
説明文でも「ゲームではない」と記されているので、なるべく当サイトでは本作を「ゲーム」と呼ばず「作品」と呼ぶようにしています。この作品をプレイすることも「楽しむ」ではなく「味わう」と表現しています(それでも充分ではないのかもしれませんが)。
そういう意味合いで「Schizophrenia Simulation」の在り方を考えると、たとえエンディングまでプレイしなくても、単に「視覚的な気持ち悪さ」を感じるだけでも本作には存在価値があるといえるのかもしれません。
所要時間
この「Schizophrenia Simulation」は、おおむね30分ほどでクリアできます。基本的には家のなかを目標にそって移動するのがメインとなり、ボリュームもさほど大きくないので1時間かかるというようなことはあまりないでしょう。
ただMODDBのページに「two possible endings(到達可能な2つのエンディング)」と記されているように、エンディングは2つ用意されているようです。特に大きな分岐はないのですがセーブデータを保存するようなシステムがないため、自力で両方見るときはいくらか時間がかかってしまうかもしれません。
難易度
本作「Schizophrenia Simulation」では途中でシーンが変わる部分があり、その場面でルートがわからず時間がかかってしまうことがあります。
(ネタバレ防止のため表現をはぐらかしています)
またエンディングの分岐はクイズとなっており、答えがわかってしまえば大したものではないとわかるのですが、それを自力で気づくのには時間がかかってしまうと容易に想定されます。
ゲームのエンディングはさほど大きな違いはないため、無理をしてクイズを解く必要はないと考えられます。また途中でシーンが変わるところは、ゲームオーバーのおそれが低いため、たとえいくらか時間がかかったとしてもクリアできるよう続けていれば、いつかはクリアできることでしょう。
その2点以外は目標が明示され、視覚的な違和感に耐えられなくなるなど以外は、特にクリアに関する障壁となるものは多くありません。
そのため全体的に下の上といったあたりの35点(100点中)と設定しました。
エンディングの分岐条件はクイズの答えさえわかってしまえば難しいことは全くありませんので、攻略情報としてネタバレありのエントリに掲載します。
恐怖度
本作はホラーゲームではないので、厳密には恐怖度という捉え方は少しズレています。しかしitch.ioなどでは「Horror(ホラー)」として分類されており、作品内でそれに類する表現もありますので、ひとまず他の作品と同様にどれくらいホラーのような演出が行われているのかをまとめておきます。
全体的にホラー演出はマイルドなほうで、絶叫してしまうような場面はほとんどありません。幻覚を表現した演出があるため、そこは「ドキッ」とか「ビクッ」としてしまうことがあるかもしれません。またそうした演出の頻度は比較的高いほうで、目標が示されてそのためにアクションをとる度になにかしらの演出があると考えて差し支えないでしょう。
ホラー演出としては頻度が高いものの、どれも絶叫する怖さというより「ドキッとする」ようなタイプのものです。そのため恐怖度は低めの33点(100点中)としました。
英語力
「Schizophrenia Simulation」は英語のみの作品で、日本語はサポートされていません。
プレイを進める上で細かく目標は提示されるものの、当然ながら英語となります。難しい英語ではないので、苦手意識さえなければ英語が障壁となってクリアできないということはあまりないと思われます。
作品内では薬に関する文書があり、難しい単語が並んでいます。しかしそれはクリアに重要なものではありませんので、読み飛ばしてしまっても構わないでしょう。
ただ目標の提示が、字幕や特別な表示で確認しやすいように残るのではなく、主人公の独り言として表示され少しの間だけ表示されては消えるので、難しい言葉は使われていないものの瞬時に理解できるほうがプレイしやすいでしょう。
(「Time to bed」で「ベッドに行く時間だ」など)
いずれにせよ基本的には家のなかを歩き回ることになるくらいなので、さほど英語は重要ではなく、全体的に要する英語の理解力も高くはないといえるでしょう。
そのため低めの30点(100点中)と評価しました。
なんだろうね、
さほど怖いとは感じなかったけど、
くるくる回り続けた後のような
妙に視界がぼやけてる感じなのかな。
俺もそんなに3D酔いするほうじゃないが、
これはコメカミが痛くなってくる感じだったな。
3D映像が苦手な方には
あまり強くオススメできるわけではありませんが、
珍しい体験ができる作品ですよね。
次のエントリ
次回のエントリでは、「Schizophrenia Simulation」のオススメなところとイマイチなところを、なるべく客観的にまとめていくことにしましょう。