【フリゲ】《2019年11月》おすすめの作品は? 1ヶ月で実際にプレイした53作品からピックアップ!【インディ】

1ツイゲームレビュー
2019年11月の1ヶ月間で実際にプレイしレビューした53作のゲームのなかから、おすすめの作品をご紹介します。

こんにちは、Caffeineです。
今回は2019年11月の1ヶ月間で「#1ツイゲームレビュー」としてレビューした53作品のなかから、おすすめのゲームをまとめています!

#1ツイゲームレビュー」を始めてから毎週のまとめも行っていますので、より細かく確認したい方はそちらの記事もご覧ください。

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2019年11月の超おすすめ作品!

2019年11月に実際プレイした53作品のうち、月間のおすすめ作品として8作品をピックアップしました!
後半でまとめていますので、そちらを先に見たい方は「11月のおすすめは?!」からどうぞ!

そうしたおすすめ作品とは別に、ターゲット層が少しニッチであったり、万人受けしづらい要素があったり、おすすめとしては難点があるけれども、間違いなく楽しめる人がいるであろう作品を「次点」としてまとめました! 13作品ピックアップしました! そちらを見たい方は「次点の作品たち!」からどうぞ!

おすすめ作品としてピックアップした8作品のうち、月間の特別おすすめ作品としてご紹介したい作品を1作品選びました(トップ1ではなく、たまたま1作品だったということです)。その「いろいろな方にプレイしてほしい」とピックアップしたのは「首に難あり」です!

首に難あり:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「首に難あり」:タートルネック(体質)
  1. 「首に難あり」
    1. グラフィックよし
    2. ゲーム性よし
    3. エンディングよし
    4. 懸念点は「入口で引っかかる人」だけ
  2. 11月1週
    1. 「えんかうんと」
    2. 「最果てを目指す」
    3. 「金のなる木」
    4. 「私はギャルゲーです。」
    5. 「ネットフレンド ~彼女に出会った私の末路~」
    6. 「fill」
  3. 11月2週
    1. 「絶対にプレイしてはいけないゲーム」
    2. 「Forgotten School / 忘れられた学校」
    3. 「What do you believe.」
    4. 「罪業狂襲 FrenzyRetribution」
    5. 「暗黒SNSしりとり」
    6. 「ナンバークイズ館からの脱出」
    7. 「NoPlayersOnline」
    8. 「FLESH BIRDS」
    9. 「Cold sleep boy -妖幽陰陽譜-」
    10. 「影廊 -Shadow Corridor-」
  4. 11月3週
    1. 「彫刻姫の破顔時」
    2. 「亥」
    3. 「GIGA-斬-」
    4. 「首に難あり」
    5. 「Escape the Ayuwoki」
    6. 「Only In Darkness」
    7. 「Open World Game: the Open World Game」
    8. 「Mr. Hopp’s Playhouse」
    9. 「The Magician’s Research」
  5. 11月4週
    1. 「Wurroom」
    2. Non Stop Crazy World
    3. 「Lx【縦スクロール型ハクスラRPG】」
    4. 「Start Survey?」
    5. 「Chikaro / 地下楼」
    6. 「Hospital Black River」
    7. 「Hellbound: Survival Mode」
    8. 「ENTITY」
    9. 「AVARICE」
    10. 「Dead County」
  6. カメラが特徴「Forgotten School / 忘れられた学校」
  7. 素晴らしい完成度の「影廊 -Shadow Corridor-」
  8. ギャップ萌えの「彫刻姫の破顔時」
  9. シンプルACTの「亥」
  10. 文句なしの「首に難あり」
  11. シンプルな洋ホラゲ「Hospital Black River」
  12. 迷い込んだ感が楽しい「ENTITY」
  13. 雰囲気が素晴らしい「AVARICE」
  14. ノスタルジックな2人旅「最果てを目指す」
  15. 変態な「ネットフレンド~彼女に出会った私の末路~」
  16. キャッチーながら怪しい「fill」
  17. クイズ好きには「ナンバークイズ館からの脱出」
  18. 彼は見ている「NoPlayersOnline」
  19. 古典ホラー映画のような「FLESH BIRDS」
  20. 不思議に明るい「Cold sleep boy -妖幽陰陽譜-」
  21. 手軽な剣闘ACT「GIGA-斬-」
  22. 無料ではマイケル健在「Escape the Ayuwoki」
  23. 人を選ぶ「Open World Game: the Open World Game」
  24. ファミコン風ホラー「Mr. Hopp’s Playhouse」
  25. 先が気になる「Chikaro / 地下楼」
  26. バイオ好きには「Dead County」

「首に難あり」

「首に難あり」は、2Dの脱出ゲームです。クイズなどを解くタイプではなく、敵に触れないよう避けて先へ進むタイプです。「首に難あり」の評価点は、グラフィック・ゲーム性・エンディングの3点どれもレベルが高かったことです。

個別に紹介記事を執筆していますので、詳細はそちらにてご確認ください。

「首に難あり」#01【おすすめ】首に難のあるキャラを使い分けて脱出しよう!【フリゲ】
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では具体的にどう3点のレベルが高かったのか説明しましょう。

グラフィックよし

まずグラフィックのレベルの高さは、「ふりーむ」のスクリーンショットなどを見ればわかるでしょう。このイラストを見て「かわいいな」とか「キレイだな」と感じた人は、もうすでに本作「首に難あり」を楽しむ素養があります。ダウンロードしてプレイしましょう。

ゲーム性よし

次にゲーム性についてです。本作は脱出ゲームとして敵から逃げるのですが、ここでタイトル「首に難あり」が関わってきます。主人公を含めた操作可能キャラクタは、みんな首に難を抱えています。たとえば主人公の女性・トルネは、首が隠れるようになっています。直感的には「首が消える」といったほうがわかりやすいでしょう。

敵は「首吊りの縄」ですので、トルネの首を隠せる特殊能力は逃げるのに役立つのです。ずっと隠せるのではなく、呼吸が続かなくなるので時間制限があるのもおもしろいところです。

ゲームを進めると仲間になる他のキャラクタも別の「難」を首に抱えています。最初に仲間になるトルクは首が回転するので、空を飛べます。トルネだけでは行けなかった高いところへも、トルクが仲間になることで行けるようになるのです。

このようにキャラごとに特殊能力・特徴があり、キャラを切り替えることで行けなかったところへ行けるようになり、難所をクリアしやすくなるのです。これが「首に難あり」のゲーム性のよさです。

エンディングよし

エンディングのよさについては、ネタバレしない程度に情報を抑えておきましょう。

本作「首に難あり」にはエンディングが3つあります。そのうちベストエンドと呼べるものが素晴らしいのです。どう素晴らしいかというと、「克己」と「絆」と「適材適所」が描かれているのです。

「克己(〇こっき ×かつみ)」は「自分にうちかつ」ことを示します。ジャンプのマンガにあるような自分の弱さに気づいて強くなるのと同じです。これはタイトルにもある首に抱えた難をどう乗り越えるかというストーリーでもあります。

「絆」は、一緒に脱出する仲間たちとの絆です。本作では仲間の誰かが無残に死んでしまう悲劇的なシーンはありませんが、エンディングによってはとてもあっさりした終わり方になってしまいます。しかしベストエンドでは、絆がしっかりと強くなった様が描かれているので、とても満足できるものとなっています。

そして「適材適所」は、ゲーム性でも述べた「それぞれのキャラがもつ特徴」がいきてきます。エンディングのなかでは最重要ではなく前面に押し出されているわけでもありません。しかし「なんとなくいい雰囲気のエンディング」ではなく、しっかりした「『首に難あり』のエンディング」なのだと感じられるものになっているのです。

この「適材適所」は隠し味くらいのものです。カレーにウスターソースや果物を入れるようなものです。決して強く主張してくるものではありませんが、あるとないとではまったく違う味わいになるのです。

懸念点は「入口で引っかかる人」だけ

総評すると、本作は「ゲームとして楽しく、ストーリーも素晴らしく、絵柄も惹かれる作品」なのです。

ここで少し気にかかるのは、グラフィックにおける「強調」です。端的に述べると「巨乳」であることです。最近「宇崎ちゃん」の献血ポスターが問題となったように、女性っぽさを強調することはある程度の人にとって好ましくない表現なのです。

そのため本作をプレイするのであれば、そのグラフィックに忌避感がない方であるほうが間違いなく強く楽しめます。それを判断するのは、最初にスクリーンショットなどを見たときに、「この絵いいな」と思うか「この絵ヤだな」と感じるかで判別するだけで構いません。

こうしたスクリーンショットは「入口」として機能します。その入り口で引っかかる人は、我慢してプレイしてもあまりイイ体験をしないかもしれません。しかし入り口でまったく引っかからなかった人は、思う存分楽しむことができるでしょう。

「#1ツイゲームレビュー」とは?

11月のおすすめ作品の解説を終えたところで、改めて「#1ツイゲームレビュー」についての説明をしておきましょう。

#1ツイゲームレビュー」は、2019年11月からTwitterで始めた「新作フリーゲームなどを1つのツイートでレビューする」という活動です。たくさんのゲームをプレイする時間のない方のために、実際にプレイしてわかりやすくまとめています。

インディゲーム作者の方にとっても、「より広く作品を知ってもらえる」というレビューにしたいと考えています。もちろんゲーマーの方々にとって、国内・国外の隔たりなくいろいろなインディゲームをしってもらうきっかけになればいいと思っています。

この記事やレビューの内容について「おもしろいそうなことやってるな」「おもしろいゲームあるんだな」と感じていただけたら、RTなどで他の方にも知ってもらえるよう手助けしていただけると幸いです!

各週のまとめ

まずは1週間ごとにレビューをまとめ、その週でのおすすめ作品としてピックアップした作品を挙げていきあしょう。楽しめる要素がある作品をピックアップしていますが、万人受けしにくいものもありますのでご留意ください。

11月1週

11月1週では、10作品をレビューしました。1週分のまとめ記事はこちらです。

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この記事でおすすめ作品としてピックアップしたのは、以下の6作品です。

「えんかうんと」

「最果てを目指す」

「金のなる木」

「私はギャルゲーです。」

「ネットフレンド ~彼女に出会った私の末路~」

「fill」

11月2週

11月2週では、15作品をレビューしました。1週分のまとめ記事はこちらです。

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この記事でおすすめ作品としてピックアップしたのは、以下の10作品です。

「絶対にプレイしてはいけないゲーム」

「Forgotten School / 忘れられた学校」

「What do you believe.」

「罪業狂襲 FrenzyRetribution」

「暗黒SNSしりとり」

「ナンバークイズ館からの脱出」

「NoPlayersOnline」

「FLESH BIRDS」

「Cold sleep boy -妖幽陰陽譜-」

「影廊 -Shadow Corridor-」

11月3週

11月3週では、16作品をレビューしました。1週分のまとめ記事はこちらです。

【フリゲ】《2019年11月3週》おすすめの作品は? 実際にプレイした16作品からピックアップ!【インディ】
11月の3週めに実際にプレイしレビューしたゲームのなかから、おすすめの作品をご紹介します。 こんにちは、Caffeineです。 今回も「#1ツイゲームレビュー」から おすすめのゲームをピックアップしていきましょう! 2019年11月3...

この記事でおすすめ作品としてピックアップしたのは、以下の9作品です。

「彫刻姫の破顔時」

「亥」

「GIGA-斬-」

「首に難あり」

個別記事:
「首に難あり」#01【おすすめ】首に難のあるキャラを使い分けて脱出しよう!【フリゲ】
グラフィック・ゲーム性・エンディングのどれも秀逸な脱出ゲーム「首に難あり」の紹介です。 こんにちは、Caffeineです。 今回ご紹介するのはかなりおすすめな脱出ゲーム「首に難あり」です! タイトル 首に難あり ...

「Escape the Ayuwoki」

「Only In Darkness」

「Open World Game: the Open World Game」

「Mr. Hopp’s Playhouse」

「The Magician’s Research」

11月4週

11月4週では、12作品をレビューしました。1週分のまとめ記事はこちらです。

【フリゲ】《2019年11月4週》おすすめの作品は? 1週間で実際にプレイした12作品からピックアップ!【インディ】
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この記事でおすすめ作品としてピックアップしたのは、以下の10作品です。

「Wurroom」

Non Stop Crazy World

「Lx【縦スクロール型ハクスラRPG】」

「Start Survey?」

「Chikaro / 地下楼」

「Hospital Black River」

「Hellbound: Survival Mode」

「ENTITY」

「AVARICE」

「Dead County」

11月のおすすめは?!

これらのゲーム作品はその週でおすすめとしてピックアップされたものですが、そのなかからさらに「その月のおすすめ」としてまとめましょう!

カメラが特徴「Forgotten School / 忘れられた学校」

「Forgotten School / 忘れられた学校」は、日本の学校を再現した雰囲気のよさとカメラを利用したホラー演出のおもしろさを理由として、11月のおすすめ作品にピックアップしました。

Forgotten School / 忘れられた学校 by Azaxor
Short Japanese VHS Horror

カメラを使った「見えないものが見えるようになる」というシステムは特に新しいシステムではありません。しかしフリーゲームでしっかりとホラー演出を交えて完成させた作品というのは、少し珍しいといえるでしょう。

学校の再現性の高さは、作者が日本人ではないという点を考えれば素晴らしく映りますが、そこを重視しなければさほど高い評価点とはなりません。やはりカメラを使用して「どうすればクリアになるの?」と探りながらホラー演出を目にすると、意外と驚いてしまうことでしょう。

本作は作者の別の作品をプロモートするために制作された向きがあるものの、フリーゲームとしてはなかなかおもしろくできあがっていると感じられました。もし本作を楽しめたなら、そちらの作品もチェックしてみてもいいのではないでしょうか。

 

素晴らしい完成度の「影廊 -Shadow Corridor-」

「影廊 -Shadow Corridor-」は新作ではありませんが、日本の方が制作された3Dの和風ホラーゲームです。同名の作品がSteamで有料販売され、独自のステージなどが追加されています。

影廊 -Shadow Corridor-:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「影廊 -Shadow Corridor-」:夏の夕暮れ時、迷い込んだ先は暗闇に閉ざされた回廊だった【和風テイスト3D脱出ホラーアクション】

戦う方法がなく敵の隙をかいくぐって目的地へ向かい脱出するというゲームで、音や光に反応する敵を爆竹などで誘導しながら道を拓いていきます。苦手な人にはとことん苦手だろうと思われるシステムです。現に私にとっては、かなり厄介なシステムでした。

有名な「Siren」シリーズでは幻視として敵の視界をジャックして逃げるルートを模索することができましたが、本作ではそうした特殊なシステムはなく、逃げて隠れてなんとか敵を誘導するしかありません。

ランダム生成のマップでそれなりに広く時間がかかるため、慣れてしまえば作業と化してしまう可能性も高い作品です。しかし闇のなかで隠れるしかなく、足音や鈴の音が近づいたり離れたりするのを待つなか、視界を確保する光が点滅して消えていくのをただじっと待って見ているしかないのは、恐怖感を強く煽ってきます。

Steamの有料版が販売されてからも無料版が消される傾向がないので、(少なくとも今しばらくは)まだ遊ぶことができます。和風ホラーに興味がある方は、試しに無料版をプレイしてみてもそうそう損はしないでしょう。

ギャップ萌えの「彫刻姫の破顔時」

「彫刻姫の破顔時」はグラフィックが最高級だというわけでもなくジャンルもよくあるクイズ・パズルを交えた脱出ゲームと、ともすれば魅力を見出しにくい作品となっていたかもしれません。本作の魅力は主人公の1人でありヒロインでもある「彫刻姫」の存在が大きいと断言できます。

彫刻姫の破顔時:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「彫刻姫の破顔時」:動く脱出メタネタADV

いわゆるクール系のように無表情でいるため「彫刻姫」と呼ばれる彼女ですが、実は「脱出ゲームマニア」であり、「憧れの脱出ゲームの状況に陥ったことに超興奮してしまう」という面が見られるのです。

ゲーム性であるクイズ・パズルを解いて脱出する要素も、趣向がこらしてあるのでしっかり楽しい作品です。

シンプルACTの「亥」

「亥」はとてもシンプルなACTゲームです。本当にとてもシンプルなので、キレイなグラフィックを求める人にとっては本作の映像は幼稚にすら映るかもしれません。しかしフリーACTとしてはしっかりと楽しめます。

亥:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「亥」:素材インスパイアシリーズ第三弾!

プラットフォーム型のACTとして単に遊べるだけでなく、特徴的な猪突猛進の動きをいかしたマップ構成、もしくはそれを逆手にとった罠などがしっかりしかけられています。シンプルな見た目に惑わされない方であれば、楽しいACTを体験できるでしょう。

文句なしの「首に難あり」

「首に難あり」は首に問題を抱えた主人公たちが謎の空間から逃げるという脱出ゲームです。個人的にグラフィックよし、ゲーム性よし、エンディングよしと3拍子揃っていて11月1番のイチオシのフリーゲームです。

首に難あり:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「首に難あり」:タートルネック(体質)

脱出ゲームとしてはクイズ・パズルを解くのではなく敵に触れないよう避けるというシステムですので、それが嫌いでない方、そしてグラフィックに忌避感を抱かない方であれば、広くいろいろな方におすすめしたい作品です。

細かくは記事の冒頭にてピックアップして解説していますので、そちらをご覧ください。

シンプルな洋ホラゲ「Hospital Black River」

「Hospital Black River」は、グロ表現が強く気持ち悪いモンスターから逃げる「いかにも」な海外のフリーホラーゲームです。過激な表現が嫌いな方には厳しい内容になると容易に想像できますが、そうした要素に忌避感がない方には充分楽しい作品になるでしょう。

Hospital Black River by Kevin Soares - Razor Softworks ®
Survive the abandoned hospital with so many secrets

前半はホラーの雰囲気を楽しむ「暗いマップを移動するホラゲ」という印象なのですが、終盤ではなかなか骨のあるスニーキングミッションが待ち受けています。ゲーマーの心をくすぐるイイ難易度になっているので、挑戦的な内容にむしろ燃える人ほど楽しくプレイできるでしょう。

迷い込んだ感が楽しい「ENTITY」

「ENTITY」は、殺人があった場所に忍び込む配信者を操作する海外のフリーホラーゲームです。最初は廃墟のような建物に侵入するのですが、大方の想像通り主人公は怪しい現象を体験し、不思議な世界に迷い込んでしまいます。

Northbury Grove: ENTITY by Scythe Dev Team
Experience Horror, Live.

そうしたコンセプトとは別に、実はさほどホラー度は高くありません。海外で「Jumpscares(ジャンプスケア)」と呼ばれるタイプの急な驚かしがないのが大きく影響しているのでしょう。ホラー度が高くないにもかかわらず、雰囲気はしっかりと「やばい感」が漂っています。

ややエンディングがしりすぼみである印象はあるものの、道中の雰囲気はなかなかホラーとして醸成されています。エンディング分岐もないようなので、初回プレイのホラー体験に重点を置いた作品です。

雰囲気が素晴らしい「AVARICE」

「AVARICE」は少しトリッキーな作品です。ゲーム内のマップである屋敷を進んでいくと最初に戻される「ループ」の要素があり、ループを経つつも進むほどにだんだんと屋敷の内観が怪しく変化していく、という海外のフリーホラーゲームです。

Avarice by DarkMode
A first-person psychological horror game inspired by P.T.

私はこの様子を「P.T.」と「Layers of Fear」を合わせたようなものだと説明してきました。そもそも「ループ」という要素がゲームやマンガの文脈を呑み込めている人向けの要素ですので、「あまりゲームはしないけど、フリーゲームっていうタダで遊べるものがあるって聞いたから試しに……」という方にまずおすすめするタイプの作品ではありません。ちょっと玄人向きです。

海外の3Dフリーゲームには、クォリティが高く没入感も強いものがいくつもあるのが特徴的です。本作「AVARICE」はそのゲーム体験が重く濃厚だというわけではありませんが、全体的にレベルが高く「1つステージが上のレストランで食事をして『なるほど……!』と納得する」というような満足感を味わえるでしょう。

次点の作品たち!

次いで、月間のおすすめ作品としては一歩及ばなかったものの、楽しめる人がいそうな作品を「次点」としてピックアップしていきましょう!

ノスタルジックな2人旅「最果てを目指す」

「最果てを目指す」は、ヒロインである少女によって作られたロボットとして2人で旅をするフリーゲームです。ノスタルジックで寂寥感すら漂わせる旅の雰囲気は、とても胸に沁みます。そうした冷たいけど清々しい風のような空気を楽しみたいときには、とてもおすすめです。

最果てを目指す
寂しくないサバイバルノンフィールドRPG「最果てを目指す」(スマホ用ページ)

月間のおすすめではなく次点に収まったのは、「地味な画面」が要因です。アニメーションや立ち絵などのグラフィック重視というよりテキストベースに近い点があります。これはまず実況向きではないことを示します。

動画化などの観点を無視するとしても、テキストベースのゲームというのは人を選ぶところがあります。現在のゲームは「文字を読んで楽しみたい」というものではなく、「映像を楽しみながらゲーム性を味わいたい」というところに落ち着きやすいからです。そのため雰囲気はあるものの、次点に落ち着いた作品なのです。

変態な「ネットフレンド~彼女に出会った私の末路~」

「ネットフレンド ~彼女に出会った私の末路~」は短いノベルゲームです。絵柄がとてもキャッチーで、魅力が非常にわかりやすいのが特徴です。しかし本当の魅力は絵柄ではなく、変態的なそのストーリーです。

ネットフレンド ~彼女に出会った私の末路~:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「ネットフレンド ~彼女に出会った私の末路~」:邪悪な目的で美人のネット友達に会ったらとんでもないことになった掌編ノベル

細かい説明はネタバレになるので避けますが、しっかりとしたオチ、どんでん返しを体験できるでしょう。ただし本作が次点となっているのは、そのストーリーが万人受けするものではないと判断できるからです。

そもそもタイトル画面で確認できるような「百合」、つまり女性同士の恋愛といった要素ですら、主流のコンテンツではありません。そうした要素にからめた「オチ」が、よりニッチになってしまうのはしかたありません。

そのため百合要素をふざけて楽しめる方、さらには変態的なオチに対して怒ったりガッカリしたりしない方に向いた作品です。

キャッチーながら怪しい「fill」

「fill」はパッと見るとかわいい女の子が登場するゲームに見えます。しかしその実、重くフシギな雰囲気を抱えた作品です。

fill:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「fill」:空っぽを埋めるもの

そもそも日本のフリーゲームは落ち着かない内容の作品(「ゆめにっき」など)や著作権的に怪しい作品(「のび太のバイオハザード」など)から人気が出たところがあります。その流れからすると、この「fill」のような作風はまったく奇妙なものではありません。

しかしそうした流れとは別に、本作「fill」が万人に受けるかというと、絶対にありえないと断言できるくらいには「フシギ」な作品なのです。たとえフシギで意味がわからなくても許容できる人なら、本作を楽しめるでしょう。しかし昔からのフリーゲームの流れを好まない人にとっては、手を出しにくい作品だというほかありません。

クイズ好きには「ナンバークイズ館からの脱出」

「ナンバークイズ館からの脱出」は、クイズ・パズルを解いて逃げる典型的な脱出ゲームです。フリーゲームとしては小さくないボリュームですので、クイズ・パズルが好きであればほどよく楽しめるでしょう。

ナンバークイズ館からの脱出
数字を答えて館から生きて脱出せよ「ナンバークイズ館からの脱出」|・謎を解きながら、閉じ込められた建物から脱出するゲームです。・一部残酷描写あり。・使用ツールWOLFRPGエディター・総プレイ時間1時間程度・エンド数1?

問題点は、グロテスク表現です。本作は序盤ではほのぼのとしているものの、中盤以降で急にグロテスク表現が強くなります。グロテスク表現が苦手な方だと、途中でプレイを放棄してしまう可能性も充分ある作風になってしまっています。

そのため「グロテスク表現を許容できて、急な雰囲気の転換も受け入れられるクイズ・パズル好き」の方におすすめです。また演出はややチープなところがあり、いかにも「フリーゲーム」といった印象がついてまわるところもあるので、フリーゲーム初心者の方より慣れている方に向いているともいえます。

彼は見ている「NoPlayersOnline」

「NoPlayersOnline」は、オンラインFPSゲームをモチーフとした海外の3Dフリーホラーゲームです。キャプチャーザフラッグという敵の陣地の旗を自分の陣地に集めるというゲームモードを模しており、旗を集める度に奇怪な現象が発生します。

No Players Online by papercookies
you find a dusty vhs tape, with footage of an old video game

海外の有名YouTuberの方も実況で使用するなど有名になった作品ですが、ホラー度は低めです。ちょっとした隠し要素もあるなど、ゲーマーにとってはおもしろいギミックが組み込まれていると感じる作品です。

しかし世界的にフリーゲームというものを広く見てみると、本編の演出の「地味」なところがやや目立つようになっています。グラフィックが派手ではなく、ホラー度が高くもなく、演出も特にこってはいません。オンラインFPSゲームに慣れていればキャプチャーザフラッグというモチーフもわかりやすいのですが、そうでない方にとってはわかりづらい作品になってしまっています。

オンラインゲームの文脈に慣れている人向けですので、こちらもフリーゲーム初心者の方にはプレイしづらいところです。また洋ゲーとして全編英語であるため、日本のゲーマーには手を伸ばしにくい作品といえるでしょう。

古典ホラー映画のような「FLESH BIRDS」

「FLESH BIRDS」は疑似的な3D描写のFPSホラーゲームです。古いPCゲーマーにとっては懐かしい作風ですが、若い方やPCゲームに詳しくない方には「変な表現だな」と感じられるかもしれません。

FLESHBIRDS by germfood
You are birdfood!

凶暴化し大量発生した鳥に襲われるなか逃げるストーリーで、その作風から感じられるように海外のゲームです。ボリュームは大きくないものの、そこそこ楽しめるフリーゲームとなっています。

次点となっているのは、暗く古臭い見た目とゲームのボリュームです。月間のおすすめとして多くの人が満足できる作品をピックアップすることを考えると、見た目とボリュームに関して「プレイして満足した!」というプラスが少ないと判断しました。

個人的には楽しめた部類の作品ではあるので、古めの表現を受け入れられる方にはおすすめしたいフリーゲームです。

不思議に明るい「Cold sleep boy -妖幽陰陽譜-」

「Cold sleep boy -妖幽陰陽譜-」は一言では表しにくい作品です。事件が多発している街で妖怪のような存在と共闘するRPGなのですが、ストーリー重視なところがあり、RPGとしての戦闘要素はあまり強くありません。

Cold sleep boy:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「Cold sleep boy」:その死は宿命。

しかしおもしろくないわけではなく、主人公のキャラが奔放ながらときおり敬語になる妙なキャッチーさがあり、もう1人の主人公も家族がいなくなって居候するという身ながら妙に明るい性格を見せてくれます。妖怪をテーマとしながらも、人間ドラマが見られる不思議な作品です。

フリーゲームを楽しめる人であれば、自作のグラフィックやBGM(音楽も自作とのことです)を受け入れられるでしょう。しかし全体的にバランスがいいわけではないので、月間のおすすめとして前面に押し出すのは難しいところです。

手軽な剣闘ACT「GIGA-斬-」

「GIGA-斬-」はビームサーベルのように光る剣で敵と戦うシンプルなACTゲームです。スポーツ系や無双系のようにバッタバッタと倒していくタイプではなく、敵との間合いを考えて連撃も途中で止めるような技術を多少は要する作品です。

GIGA-斬-:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「GIGA-斬-」:剣で敵に斬りかかり、倒せ!

シンプルで手軽に遊べるのが大きな魅力です。しかし最序盤がとても難しく、プレイし始めてすぐはストレスを感じやすいのが玉に瑕です。またボリュームも大きくなく、敵を殲滅してしまえばすることがなくなるという「ストーリーがほとんどない」点は、デモ版のような雰囲気を強く感じさせます。

ゲームに慣れている人であれば、「フリーゲームだしこんなものかな」と納得できるかもしれません。全体的に「楽しむ」というより、「雰囲気を感じる」くらいの作品だと判断しました。

無料ではマイケル健在「Escape the Ayuwoki」

「Escape the Ayuwoki」はフリーの海外ホラーゲームですが、現在はSteamで同名の有料版が発売されました。作風はフリー版と大きく変わっているので、無料版から興味をもった人は少し注意したほうがいいでしょう。

Escape the Ayuwoki by Deadlycrow Games
You have to escape the mansion, but be careful with what lurks in the dark.

フリー版は、モンスターの潜む屋敷を脱出するというシンプルなホラーゲームです。画面に表示されるアイコンを確認して、敵の視界から逃げて光も消して「しっかり隠れる」というのが重要な作品です。

「マイケル・ジャクソン」を彷彿とさせると海外でもネタにされているモンスターの外見が特徴的です。このモンスターの見た目が有料版では大きく変わっているので、気をつけたいところです。

有料版の広告としてのデモ版・フリー版は、いつダウンロードできなくなるかわからないのが難点です。また有料版との情報が錯綜し、ゲームの内容が確認しづらくなるのも難しいところです。

人を選ぶ「Open World Game: the Open World Game」

「Open World Game: the Open World Game」は、オープンワールドのゲームを模した2Dの海外フリーゲームです。3Dのオープンワールド作品を皮肉ったゲームで、最初は3Dで始まるものの途中で2Dに変わるフェイクものです。

個人的には最後まで楽しんだので強くおすすめしたい作品なのですが、どうしても万人受けせずニッチな層にしか届かないことが予想される作品です。

楽しめる要素は「クエストアイコンを集めて踏破する」という点にあるので、収集・コレクションするのが好きな方向けです。「オープンワールド型のゲームが好きだから……」というきっかけでプレイしようという方には、ガッカリしないよう強めに注意喚起をしておきたい作品です。

ファミコン風ホラー「Mr. Hopp’s Playhouse」

「Mr. Hopp’s Playhouse」は、ファミコン風のグラフィックの2Dホラーゲームです。ファミコンの「クロックタワー」などが好きだった方ならとても楽しくプレイできるでしょう。

ホップ君(Mr. Hopp)のウサギの人形がとてもいいホラー風味になっている作品です。キャラクタの名前がタイトルになっていると「シリーズもの?」「有名作品のパロディ?」と考えがちですが、特に気にせずとも楽しめるゲームになっています。

海外製ですので、全編英語なのもちょっとしたマイナス要因です。ゲームプレイに英語が関わる度合いが少し高めなので、「英語がわからなくてもOKだよ!」とはいえないのがつらいところです。

またレビューツイートのスレッドにも掲載したように、キーボードが強制的に日本語表示になり操作が中断される不具合があったため、環境によっては非常にストレスが溜まるというのもマイナス点です。

先が気になる「Chikaro / 地下楼」

「Chikaro / 地下楼」はとてもおもしろくなりそうなゲームでした。雰囲気がよく、アクション性もしっかりしていました。しかしデモ版でしたので月間のおすすめにするわけにはいきません。やはり「フリーゲーム」として、途中までしか遊べないデモと全体を遊ぶできる作品とは分けておかないといけません。

Chikaro / 地下楼 by ruccho
幽体離脱2Dアクション

デモ版ということですべてをプレイできるわけではありませんが、とても楽しいゲームになりそうだと思える感触でした。途中までしか遊べなくても構わないという方は、ぜひチェックしてみることをおすすめします!

バイオ好きには「Dead County」

「Dead County」は、PS1版バイオハザードをそのままフリーゲームとしてリメイクしたような海外フリーホラーゲームです。ボリュームは小さめですが、当時のバイオを知っている人だと懐かしみながら楽しめるでしょう。

Dead County by Blake McKinnon Productions
A PS1 inspired survival horror game set during a zombie outbreak.

本作が次点であるのは、PS1バイオを今プレイするのが厳しいのと同じです。左右で旋回、上で前進、下で後退という操作性を再現し、グラフィックもローポリゴンに合わせているのでPS1バイオ感をしっかり味わえるのはおもしろいところです。しかしそれを今プレイして、「懐かしさ」以上の感動を得にくいのが限界ともいえます。

さいごに

「#1ツイゲームレビュー」は、この2019年11月から開始した活動です。まだ認知度は高くなく、ゲーマーの方々に広くフリーゲーム・インディゲームを広めるという目的も、ゲーマーと開発者の方々を繋げるという目的も満足に達成できてはいません。

この活動は現在のところ、私の活動目的にうまく合致しているので年単位で長く続けるつもりでいます。もしご協力いただけるのでしたら、TwitterでのRTなどで情報の拡散をしていただけると非常に助かります!

おもしろいゲームはまだまだある! これからも!

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